About

こんにちは。

ここは、わたくし竹花がとりとめもないことを綴っていくブログです。

ところで、あなたは普段どのようなことを考えているのでしょうか。いまからするのはわたくし……いえ僕――と一人称を名乗らせてください――の話ではなく、あなたの話です。ここでは僕の話ではなく、あなたの話をしていきます。あなたが考えていることを是非お聞きしてみたいからです。順を追っていきましょう。日常生活、学校、会社……あなたは特に何も考えずにそれらをとりあえず行動に移しているかもしれません。でもそういうとりとめもないことで構いません。昨日食べたごはんが美味しかったとか、雑誌でみたカフェが美味しそうだったから今日行ってみようとか、頭の中で考えているだけのことをお聞きしたく思います。僕のことをだらだらと話しても仕方ありません。ですが僕はあなたの声を直接聞くことができませんから、ここではもう少し僕がお話いたしましょう。

僕は以前は別の名前で書評ブログを運営していました。とはいっても零細ブログなのでアクセス数とかはたいしたことはありません。それでも一時は自分の読んだ本についてあれこれ考えたり、感想を言葉に出して書きだしてみたり、ときには批判的な立場をとって問題点をあげつらったりしてきました。しかしそのような身振りが逆にテキストを書くためのコンテンツを求めてしまうようになったのです。具体的にいうと、「本がないとブログが書けない」。このような自己ルールとしての制約はテキストを書く意欲を段々蝕むようになってきました。そもそも自分で自分の方向性を規定するテキストすら書けず、Aboutページですら、前のブログでは用意することができなかったのです。そこで考えついたのがこの場所です。

普段考えているようなとりとめもないことを明文化するということ……。紅葉が綺麗だとか、お茶が美味しいだとか、すっかり冷え込むようになって新しい冬物の服を買いたいなとか、そのようなことをきちんと言葉に出して発信していくということ……。あなたは僕の話にはあまり興味を抱いてくれないかもしれません。でもここを覗いてくれたということは、少しは興味をもって貰っていると考えても自意識過剰ではないと思います。ですからもうちょっとだらだらと話を続けます。自分の話を展開していくうえで重要なのは、やはりその話をどうすれば面白く聞いて貰えるかを考えることです。僕のお茶の趣味の話も、具体的に書けばあなたがお茶を選ぶ参考になるかもしれませんし、さらにいえばスピーカーの話だって全く興味をお持ちでなかったとしても具体的に書くことさえできれば新しく興味を持って貰えるきっかけになるかもしれません。

さて、この文章を書いていて僕自身も自分の言いたいことがみえてきたように思います。日常の「あたりまえ」を明文化して発信するということ。これがいま僕が考える最も関心のあることです。したがってできるだけ思いついたままを言葉にして書き記すことをモットーとしたいと思います。思いつきに沿ってだらだらと書かれた文章をみると、あなたは読みづらいと仰るかもしれません。でもあなたは、あなたの話好きなご友人が楽しそうにお話になったできごとに「話が長い」と口を挟みたいとお思いになるでしょうか。僕はそのようには思いません。「長い話」はそれだけ情景を喚起する語を含んでいます。仮にこのテキストを要約すると、「冬物の服」や「スピーカー」の単語は抜け落ちてしまうことでしょう。ですが僕は要約されることを恐れずに無駄な語を加えていきます。要約しようと躍起になる人間に対して「見落とし」を指摘するためにです。要約不可能性を自分のものとしてテキストを書くということ……。要約不可能であるということは、それだけでテキストに詩的な効果をもたらすのです。今僕が書いている文章は、そのようにお読みになって頂ければ嬉しく思います。顔の知らない友人としてテキストに接するということ……。そして僕も顔の知らないあなたへと向けて、表象し難い〈二人称〉と向き合ってこの文章を書き記しています。友人のアナロジーを僕はとても気に入っています。そのように接するにあたって、あえてこの場所ではコメントとトラックバック欄を閉じさせて貰いました。何も針を植えたムシロの上であなたが相槌を打つ必要はありません。あなたはあなたの場所で、言葉を投げかけてきてください。

最後に僕の自己紹介を簡単に記しておきます。名前は竹花樒(たけはなしきみ)と申します。何の変哲もなく、特に特筆する点もない、ごく普通の大学生です。しきみの花のように繊細で美しく、かつ隅々まで毒を含んだ一輪の花でありたいとの思いから、この名前を名乗ってみることにしました。しかし設定上の僕は全身に毒を含んだ存在です。何も自分の毒であなたを殺してしまいたくはありません。ですから、適切な距離を保って、あなたは自分の場所から一輪の針を植えられた筵をみていてください。仮想のコミュニケーションに地理性を持ち込むということ……。ここ、ネット空間に敷かれた極小の敷物に凛として咲く樒の花を、あなたの裁量で鑑賞して頂ければ幸甚に存じます。

 

2012年11月29日

竹花 樒